Pot. Paxton Brooks ‘Sunset Glow’

今回は、日本であまり知られていない花を紹介いたします。

Pot.Paxton Brooks
Pot.Paxton Brooks

Pot.Paxton Brooksは、現在の属名では、3属間交配のRhyncattleantheという複雑な名称となっていますが、Cattleya属とRhyncholaelia属のdigbyana(Brassavola digbiana)、Guarianthe 属のaurantiaca を祖先にもつ交配種という位置づけです。新しい属名表記は、遺伝的に近いものを属として分類していくとのことですが、今までのカトレアの交配の歴史から考えると園芸的なセンスとはかなり乖離した属分けになってしまっていると感じています。この新しい属名区分について、非常に違和感を持っていることの一つが旧称ソフロニティスとされていた coccinea等をCattleyaに分類していることです。Potinaraは、旧Brassavola、Cattleya, Laelia、Sophronitisの4属間交配を意味します。一つの例として、写真では少しわかりにくいかもしれませんが、Pot. Paxton Brooks ‘Sunset Glow’の微妙な色調は、旧Cattleya属だけの交配では、出せなかったものと思います。

Pot. Paxton Brooksの親は、Blc(Rhyncattleanthe). Miami GoldとSlc(Cattleya). Final Touchです。Slc. Final Touchは、かの有名なFrank Fordyce氏がSlc.Circle of Life(Lc. Culminant x S.coccinea)の作出より前の1994年にSlc.California ApricotとLc.Drumbeatとの交配で作出された銘品種です。

Pot.Paxton Brooks
Pot.Paxton Brooks
Pot.Paxton Brooks
Pot.Paxton Brooks

いくつかの写真を載せましたが、咲く時期により色が変り、人工光の中でも色あせない独特の光沢は、Sophronitisの贈り物ではないかと思っています。カトレアの楽しみは、大株作りや点数を競うだけでなく、その花の交配者や交配親の特徴をみつけて歴史を旅して未来を夢見るという楽しみかたもあるのではないでしょうか。

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