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カトレアについて

カトレアは、元々は中南米に自生している蘭科の着生植物ですが、1817年に英国人のWilliam Swainsonが採取して、英国に送りました。このときには、まだカトレアという名前もついていませんでした。採取して中南米から英国に送るというと、ワシントン条約の手続きがない当時は、簡単であったであろうと想像してはいけません。1817年当時に中南米のジャングルに分け入り、樹冠部に着生している植物をできるだけ傷つけないように採取するだけでも大変なのに、それに加え黄熱病、毒を持つ昆虫、銃を持ったライバル達とも戦う必要がありました。また、大西洋を横断するだけでも大変でしたが、植物を活きた状態で運ぶことにも大変な苦労があったことでしょう。

漸く英国にたどり着いた植物は、1818年11月にWilliam Cattleyの温室で開花しました。当時の英国(文明社会)で、今までに見たことの無い大きなラベンダーの花です。バラ、チューリップ等の見慣れている花とは全く形の違う大きな芳香のある花が咲いた時のCattleyさんの驚きと喜びはどれほどのものだったか、想像に難くありません。

この花は一躍有名となり、Cattleya labiataと名付けられました。2018年にカトレアが初めて英国で開花しました。。初めての開花から、labiata以外のカトレアの原種が発見(もともと自生していたものが、植物学的に種として認定された)され、蘭科の近縁の属との交配等により、様々な色、形、大きさ、香りのカトレアが創出されてきました。今でも新しいカトレアが生まれています。

実生のカトレア株(種から育てたカトレアの交配種の株)は、親が同じであっても個体変異が大きく、色、形、大きさ、香りが兄弟達でも異なります。今までに誰もみたことの無い花を咲かせてみませんか。

初めてカトレア栽培を始める方を120%応援いたします。

200 years has passed since Sir William Cattley bloomed unnamed awesome and outrageous flower which was named later as Cattleya.

Let’s begin cattleya growing.

オリジナル株、実生苗、メリクロン苗

カトレアの増殖は、株分けによる方法、実生による方法、メリクロンによる方法の三つがあります。

株分けによる方法は、匍匐茎を途中で切断して1株を2株以上にするものです。

一般的なカトレア株の増やし方といっていいでしょう。一般的には、1株のバルブを4つか5つか位に切断して増やしていきます。新しい芽がでてくる方をリード、古い方をバックと通常呼んでいます。株分けによる増殖でできた株は元の株と全く同じ花を咲かせます。このため、オリジナル分け株、若しくはオリジナルと呼ばれています。ほんとうに気に入った花は、オリジナル分け株を購入されるといいと思います。

実生による増殖は、種親株(seed parent)の雌しべに花粉親株(pollen parent)の花粉をつけて、カトレアの種子を作成する方法です。一つの交配でカトレアの実ができて、その中には数万~数十万の種子が入っています。この種を発芽させて苗にして増やしたものを実生苗と言っています。この実生苗は、種親と花粉親との両方の遺伝子を受け継いでおり、非常に個体差(育ち方、花の色、形、大きさ)が大きいことが特徴です。同じ親から生まれた実生苗でもすべて違った個性があると言っていいでしょう。

メリクロン苗は、親株の成長点細胞(新芽の中にある成長細胞)を人工的に切り出して、培養したものです。この技術ができた当初は、親と全く同じ株が大量に増殖できるということで、メリクロン苗とオリジナル株の区別もされなくなったこともありましたが、今般では、成長点を培養して大量に分割していく過程で細胞に変異が起こり、親と全く同じ遺伝子を持たないものもメリクロン苗として多く出回っています。なおかつ、海外等ではメリクロン株の芽からメリクロン苗をつくることも行われており、その場合には変異がもっと大きくなります。

整理しますと、

オリジナル株=全く親と同じ花が咲く(栽培環境による差はでます)

実生苗=親と全く同じ花にはならない(個人の好みにもよりますが素晴らしものもでるし、親より劣るものもでる)

メリクロン苗=親と一応似た様な花が咲くけれど変異している(メリクロン変異により、素晴らしいものがでる場合もありますが、その確率は大変低くほとんどの場合オリジナル株より劣ります)

だれも見たことの無い新しい花は、実生苗からしかでません。是非実生苗を育ててみませんか。現在販売可能な元気株を選別しておりますので、もう少ししたら新たな販売株を掲載いたします。今しばらくお待ちいただけましたら幸いです。